大学入試は英語で決まる

50%、47.6%、40%、これは何の数字か分かりますか?
それぞれ慶應義塾大学法学部、同経済学部、早稲田大学法学部2023年度入試で英語が占める配点の割合です。国立大学個別試験でも東京大学、京都大学でそれぞれ27%、一橋大学では38.4%が英語の配点です。

難関大学入試の帰趨は英語で決まると言っても差し支えありません。英語が苦手だと、極端に不利になってしまうのが現代の大学入試だと言えます。

入試英語のビッグデータ分析

J PREPでは戦前に遡り、日本国内の大学入試に出題された問題を収集し、分析する作業を行っています。

この目的は、J PREPの生徒が国内大学を受験する際の指導を、より円滑に効率的に行うために他なりません。過去の問題は、各大学に問い合わせたり、オークションで古い赤本を入手したり、あるいは私自身、国会図書館に出かけて資料請求を行ったこともあります。プロジェクトはまだ始まったばかりですが、今後、あらゆる方法で過去の入試問題を入手し、整理していく方針です。

大学入試英語を分析するにあたって

J PREPでは、生徒の皆さんに、一生使いこなす道具として英語を身につけて欲しいと期待しています。また、そのための通過点として、大学入試で出題されるレベルの英語は、確実に習得していただくカリキュラムを用意しています。大学入試は、あくまで実用レベルの英語に到達するための通過点でしかありません。この事実を明確にするために、スタート地点からその通過点がどれだけ遠いのか、さらに実用レベルへ到達するためにどのような努力が必要かを明らかにする目的で、最近30年間の大学入試英語の難易度を定量的に分析して示します。傾向を踏まえ、J PREPでの日頃の勉強と入試準備に活用していただきたいと思います。

「受験英語」には「使えない」とか、「堅苦しい」いう誤解を持つ方も多いようです。読解と文法に偏った出題を批判的に捉える方々は、つい受験英語には批判的になりがちです。ここで私が強調したいのは、「受験英語の知識は役に立つ」ということです。それだけでなく、受験英語の知識をもとに、さらに高い読解力、作文力、聴解力、発話力を伸ばしていかないと、実務で使える水準に到達できないということです。実際には、「受験英語で満足するな」が私が発したいメッセージです。

J PREP の生徒の皆さんには、大学入試水準の英語力には高校1年生までに到達し、高2、高3は、他科目も含めて余裕を持って準備するように促しています。
日頃、なんとなく取り組んでいる勉強を、確実に身につく勉強に変えていく努力を続けていただきたいと思います。

共通一次試験・共通テスト 語彙難易度の変化

平成元年(1989年)は共通一次試験が実施された最後の年でした。翌1990年にセンター試験と名称が変更され、平成31年(2019年)はセンター試験の最終実施年となりました。偶然ではありますが、平成最初の年と最後の年に、国立大学一次試験の方式が改められています。5月の改元を挟み、翌令和2年(2020)年には共通テストとして、再び名称が変更されました。

この30年間、昭和から平成を経て令和に至るまで、共通テストとその前身にあたる試験の英語問題難易度は、どのように変化してきたのでしょうか。

共通一次試験・共通テスト・東京大学二次試験 語彙難易度の変化

試験 共通一次
(1989)
共通テスト
(2024)
東京大学
1989 2023
出題分野 読解・文法 読解・文法 リスニング 読解・文法 リスニング 読解・文法 リスニング
試験時間(分) 100 80 60 120 30 120 30
総語数 2,728 6,233 1,714 2,418 715 5,721 1,566
1分あたり語数 27.3 77.9 57.1 20.2 23.8 47.7 52.2

※ リスニングについて:リスニングスクリプト(受験生が会場で耳から聞く音声をテキストにしたもの)のデータを掲載しています。

難関大学入学試験 語彙難易度の変化

大学・学部 京都大学 東京医科歯科大学 慶應義塾大学 医学部 慶應義塾大学 経済学部 早稲田大学 法学部
年度 1989 2023 1989 2023 1989 2023 1989 2023 1989 2023
試験時間(分) 120 120 90 90 90 90 100 100 90 90
総語数 689 1,074 1,036 2,242 1,269 2,170 2,111 3,847 2,172 4,032
1分あたり語数 5.7 12.3 11.5 24.9 14.1 24.1 21.1 38.5 24.1 44.8

J PREP国内大学受験カリキュラム 講師陣からのコメント

J PREP では外部生、在籍生向けにさまざまなイベントを企画しています。
毎年1月に開催するオンラインセミナーでは、「共通テスト英語試験分析セミナー」として試験翌日に速報ウェビナーをライブ配信しています。担当した講師は以下のように分析しています。

求められる情報処理用能力

2022年度の共通テスト・英語は、出題傾向・難易度・設問数などにおいて昨年を踏襲しているものの、リーディングの総語数が500語程度増えて約6000 語となるなど、さらに情報処理能力が求められる試験となりました。素材はブログ・雑誌・ポスターなど身近なところから選ばれており、「実生活・実社会におけるリアルなコミュニケーション英語」を問うものと言えるでしょう。音声を活用しながら、プレゼンテーションやディスカッションなどのアウトプットを通して、思考力・判断力・表現力を磨いていくことが必要です。
(J PREP 国内大学受験カリキュラム統括責任者:桂侑司)

多様な情報を解釈する力が必要

This year’s Common Test was as a challenging test. Examinees were expected to read a tremendous range of texts (blogs, articles, websites, pamphlets). In addition, candidates had to deal with subjects from many different fields: biology, sociology, and economics featured heavily. One of the big characteristics of the test this year was the variety of different graphs, charts, pictures, and other visuals. This would have challenged students as they would have had to quickly gather information from several different text types at the same time. Learning to
read visuals is something that all students preparing for the Common Test should spend some time practicing.
(J PREP 国内大学受験カリキュラム講師:Tom McCormack)

大学入試英語の先に

このような分析を踏まえて、私どもから生徒、保護者の皆さんに強調したいのは、次の事実です。
大学卒業後、研究、事業、臨床などの実務で要求される英語の実力に、四技能で到達するためには、

(1)基 礎 知 識
「受験英語レベル」の語彙、文法知識は持っていて当然、大学入学後にさらに努力が必要。
(2)読  解  力
東京大学をはじめとする国内有力大学の読解・総合問題で95%得点できる実力を目指す。
(3)作  文  力
慶應義塾大学経済学部で出題されるレベルの問題で95%得点できる実力を目指す。
(4)リスニング力
東京大学のリスニング問題で95%得点できる実力を目指し、よりナチュラル・スピードに近づいた音源を聞き取る。ジェスチャーや表情など非言語的側面も合わせた理解力を培う。
(5)スピーキング力
単なる会話表現にとどまらず、知的な英語を話す力を養成する必要。

こうした基礎を形作り、知識を定着させるためのプロセスとして受験勉強を位置づけることが重要です。そのためには、レベル1から3までの基礎をおろそかにしない、特に毎週の文法ドリルを解き知識として定着させ、音声として表現できるように努力する、そのための練習を怠らないよう留意して指導していきます。

※入塾説明会または入塾希望者専用サイトにて詳細情報を公開しております。

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